富士と桜

富士と桜

18cm×18cm

桜の花の向こうに富士山がそびえている光景。桜の花は本来、淡いピンクや白い花びらであるが、ここでは黄緑色。同じく富士の山肌も、積もった雪の白は別にして緑色になっている。富士山は五合目より上に植物はなく、赤茶けた土の色をしている。あるいは遠景なら空気に染まり、青みがかる。ここではそれを桜の花びらと同じ、薄い緑色にしている。いわば色彩のフィクションであるが、それが画面全体を同調の色で包み込む。この淡い緑の輝きは“髙尾グリーン”と命名してもよい、この作家ならではの色彩世界である。

美術評論家布施英利

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